2005

 

自然保護に心を寄せられる皆さま

  

全国有数のチュウヒの繁殖地・木曽岬干拓地

不要の整備事業から守りましょう!

 

チュウヒの全国有数の繁殖地が消滅の危機

 

 木曽岬干拓地は全国有数のチュウヒの繁殖地です。

 広大な農地造成を目的として木曽川河口の干潟が埋め立てられて作られた木曽岬干拓地は、愛知・三重両県の県境争いなどで埋め立て完工から30年余放置されました。その間に干拓地は広大な草原となり、現在毎年ほぼ3番のチュウヒの繁殖活動が見られるようになりました。また、冬季には30〜40羽のチュウヒが木曽岬干拓地をねぐらとしています。

 

減り続けるチュウヒの繁殖地

 

 チュウヒの営巣する場所はアシ原です。かつてチュウヒが営巣していたアシ原が全国的に消滅し続けています。比較的多くの営巣地が残る北海道でさえ、繁殖番の総数は20〜30番くらいと見られており、本州以南では青森、石川、愛知、三重などにそれぞれ数番が繁殖しているのみです。

 

イヌワシ(天然記念物・絶滅危惧Tb類)より繁殖個体の少ないチュウヒ

 

 日本国内に生息するイヌワシは400〜500羽くらいと見られています。そのイヌワシよりもチュウヒの国内繁殖個体数ははるかに少なく100羽にも満たない可能性があります。冬季に大陸からやってくる個体を除けば、国内で繁殖するチュウヒはまさに絶滅寸前と言えます。

 

不要不急の整備事業

 

 県境の確定に伴い、440ha余の干拓地には三重・愛知両県による「整備事業」が計画され(添付資料参照)、現在環境影響評価の手続きが進められています。そして、この整備事業は来年度から開始される予定になっています。

 整備事業の内容は、干拓地のほぼ半分に「わんぱく原っぱ」や「デイキャンプ場」、「建設残土のストックヤード」とかを作るというものです。しかし、その必要性も定かでなく、緊急性もありません。

 そして、それらの整備のために現在海面下1mの地盤高に5mの盛り土を行なおうというのです。

 

50haの保全区を設定するが、その科学的根拠はない

 

事業の代償として干拓地の南部に50haの保全区を設けることになっています。保全区を設けることは画期的なことですが、準備書では保全区の効果は「知見が少なく、効果の程度は不明である。」となっていて、さらに「………保全区の整備を行うことにより………生物の生息環境として機能回復が期待できると考えられる。」とあります。(要約書p114及びp116を参照)

チュウヒの餌となるネズミ類や小鳥類の個体数調査も行われていません。科学的根拠はなく、事業者が期待できると考えているだけです。また、事業を進めながら、平行して保全区を設けることになっています。一度も行われたことのないチュウヒの繁殖地の保全区の有効性を確認することなく、このまま事業を進めることは大変危険です。単純な計算では440haで3つがいなので、50haではチュウヒがまったく繁殖できなくなる可能性が高いといわざるをえません。

 

意見書を提出してください

 

 数番のチュウヒが繁殖している場所は本州以南ではもう数ヶ所しか残っていません。木曽岬干拓地をチュウヒの生息地として保全するために、皆さまの絶大なる御支援をお願いいたします。

 木曽岬干拓地は、チュウヒのほかにもコチョウゲンボウが30羽前後冬季のねぐらとしています。またハイイロチュウヒ、ノスリ、ミサゴ、オオタカ、ハイタカ、ハヤブサなど多くのタカ類の生息地でもあります。

 我々は木曽岬干拓地をタカ類のサンクチュアリとして残し、地元の小中学生高校生のための自然教育の場にすることを考えています。この干拓地を是非後世に残しましょう!

 

準備書の要約書のアドレス  http://www.eco.pref.mie.jp/jyourei/asses/kisozaki/asses1.htm

 

問い合わせ及び意見の提出先  (締め切り3月17日)

 〒514-8570 三重県津市広明町13番地
三重県総合企画局特定政策室 特定事業グループ
電話059-224-2642  E-mail:mailto:tokutei@pref.mie.jp

  参考様式 (県に提出する書式の例)

 

意  見  書

 

平成 年 月 日 


1 住所(主たる事務所の所在地)
  氏名(代表者名)
  ※ 注 ( )内は法人その他の団体の場合
 
 
2 意見の対象とする方法書の名称
   木曽岬干拓地整備事業環境影響評価準備書
 
 
3 意見及びその理由
 (文例) 木曽岬干拓地には、絶滅が危惧されるチュウヒ3つがいが繁殖しています。緊急性のない整備事業によってチュウヒの繁殖地が脅かされています。計画では50haの保全区を設けて、チュウヒの繁殖・採餌の代償とするとなっていますが、準備書にはこのことを裏付ける科学的根拠がありません。そのため、事業を進めることはチュウヒ繁殖個体の絶滅を招くおそれがあります(1つがいも繁殖できなくなる可能性があります)。チュウヒの行動やチュウヒの餌となる動物の個体数調査など科学的な根拠となるデータを再度集めて、絶滅危惧種の繁殖地を脅かすことのないように事業全体の見直しをするようにお願いします。
 
※注  意見は日本語で記載してください。

 

                      木曽岬ネットワーク

・日本野鳥の会三重県支部

・日本野鳥の会愛知県支部

・名古屋鳥類調査会