1999年9月13日
通商産業省
大臣 与謝野 馨様
(財)日本野鳥の会愛知県支部
海上の森自然観察会
海上の森世界遺産登録推進協議会
環境ネットワーク・緑の会
パンダクラブ愛知
9日、2005年日本国際博覧会の「会場計画検討案」が2005年日本国際博覧会協会より公表されました。私たちは、会場予定地内でのオオタカの営巣発見後、博覧会協会ならびに愛知県が万国博覧会ならびに新住宅市街地整備事業および関連道路建設事業について、計画の全面的見直しを行なうよう再三要望するとともに、博覧会協会ならびに愛知県が海上の森の貴重な自然をいかに保護するかを大きな期待をもって注視してきました。
9日公表された「会場計画検討案」は、オオタカの営巣事実の発見にともない、大幅な会場予定地の変更等会場の計画の全面的な再検討が行なわれるものと信じてきた国民の期待を全面的に裏切るものと言わざるをえません。「環境万博」を標榜しながら、海上の森を全面的に破壊する新住宅市街地整備事業とそのままオーバラップする会場配置は、オオタカの営巣の発見が全く無視されたものであり、先の都市計画審議会の専門部会での審議打切り・評価書の強行提出の暴挙と軌を一にするものと言わざるを得ません。このような姿勢が、「自然の叡智」「来るべき時代の地球文明のひな型」を全世界に発信しようというものの姿勢でしょうか。
私たちは、青少年公園を万博の会場として使用するということになったとき、ほのかな期待を抱きました。地球環境の危機という、まさに「自然の叡智」に学び危機を克服するという、人類の叡智が試されているこの時代に生を共にするものとして博覧会協会や愛知県が「叡智」を示してくれるものと期待したのです。
海上の森は地球環境ではないのですか。「自然との共生」を世界にアピールする万博なのではないのですか。森を改変して大きな通路を何本も通して生態系を分断し、建物をそこかしこにズラリと配置する、このような計画が「自然との共生」でしょうか。余りにも滑稽な主張ですし、全世界を愚弄するものではないでしょうか。また公表された会場計画検討案は、事業費を膨張させ財政赤字に苦しむ国と愛知県に膨大な事業費を強いるものであり、すでに私学助成のカットや公務員給与のカットなど予算のやりくりに苦しみ県民に過酷な犠牲を強いている愛知県の現実に目を背け、更に不当な犠牲を県民に強いることを要求する計画であり、来年度にも財政再建団体に転落しかねない愛知県の現状をまったく無視した無謀な計画と言わざるをえません。
このような無謀な計画案を企画調整会議での合意をも見ずに公表した博覧会協会の非民主的で強引な姿勢に対して、自然保護の立場と県民の立場の両面から、私たちは強く玩議するものです。
私たちは、9日公表された万国博覧会の会場計画検討案はただちに全面撤回するべきであり、海上の森をそのまま自然を基本に改変しない形で、万国博覧会の展示とすることが最良の会場計画であり、自然と人間の共生する具体的な形としての「里山」を万国博覧会においてそのまま展示することを強く要望します。
以上